CSFU(Campaign Sight First U)とは

 

 視力障害者を助け、眼を守る運動は、1925年の第9回国際大会で、あの三重苦の聖女と呼ばれたヘレン・ケラー女史が、「ライオンズよ、暗闇と戦う盲人のための騎士になってください」と盲人のための援助を訴えて以来、ライオンズクラブの主要な奉仕活動になっています。また、視覚障害者用の白い杖は、1930年、米国イリノイ州のあるライオンズクラブが考案して視覚障害者に配布し、それがやがて全世界に広まったものです。

 1991年から1996年まで「視力ファーストキャンペーン(CSF)」と称して資金を特別に集め、世界保健機関(WHO)などと協力して、「失明の予防及び治療」の国際的奉仕活動が行われ、2004年末までに、世界79カ国、1億人以上の眼科医療の改善、2,400万人以上の人々の失明予防、250以上の眼科診療所建設、約68,000人の医療専門家を育成しました。また、日本においては、先進国における失明予防のモデルプログラムとして、緑内障及び糖尿病による失明予防の啓蒙活動が行われました。これらの事業資金獲得の視力ファーストキャンペーンにおいて、日本のライオンズクラブは、世界全体の36.5%に当たる資金を拠出しました。

 このような視力ファーストキャンペーンの全世界的な成果は、国際的にも高く評価されておりますが、CSFの資金は残り少くなり継続は困難な状況となりました。そのため、その継続的活動と近年の新しい失明の問題にも対処すべく、2005年6月の香港国際大会においてキックオフされ、20057月から「視力ファーストキャンペーンU(CSFU)」として資金獲得活動が行われることになりました。

 尚、CSFUの事業はLCIF(ライオンズクラブ国際財団)の事業の一部であり、視力関係以外のLCIF事業は従来通り運営されます。ちなみにLCIFとは1968年に国際協会によって設立された財団で、寄贈を受けた基金を運用して、大災害や緊急事態の救済や、その他全世界的に人類の福祉に貢献することを目的としています。

 

CSFUへの取り組みについて

 全世界の失明者3,700万人・弱視者14,700万人を救済するため3年間計画でクラブ会員一人当たり4万円(US$170 モデルクラブ5万円)の拠出要請があります。CSFUにより、3年間で会員一人当たり4万円ほどの拠出を予定していて、前回のCSFはUS$146,134,842の資金が集まり、日本はUS$53,183,587(全世界比36.5)献金しました。今回の目標額は、US$200,000,000で、日本に期待される努力目標は、日本の会員減、経済状況を配慮しUS$51,000,00(全世界比25.5%、前回比96)です。また、CSFUもメルビン・ジョーンズ・フェロー(MJF)制度が適用されます。

 

視力ファーストの事実

・今日3,700万人が失明していると推定される

・失明の少なくとも80%は回復可能か、または予防可能であった。

・LCIFと140万人のライオンズクラブ会員が、予防可能な失明を撲滅するグローバルなキャンペーンに従事。

 

視力ファースト・プログラムとは

 視力ファーストプログラムの使命は、世界中の、とりわけ失明の90%以上が予防可能である発展途上国で、予防・回復が可能な失明を著しく減少させることである。

視力ファースト交付金は、

・特定の地域での失明を著しくしかも目に見える形で減少させる結果になる

・地域・国家レベルで、失明をもたらす主要な疾病を対象とし、非常に重要なしかもまだ十分でないアイケアを提供するニーズに取り組む

・コスト効果の高い、継続的な戦略を使用するプロジェクトのためのものであるとみなされている。

 

CSFUによる具体的な目標は

2,400万人の深刻な視力喪失を予防

6,500万例の河川失明症の処置を実施

460万人の白内障患者の視力回復

・数億人に対する視力ケア・サービスの向上

258の眼科病院やクリニックを建設あるいは拡張

300の眼科センターの設備を改良

68,000人の眼科医、眼科看護士、その他の眼科ケア・ワーカーの訓練

・WHOとのパートナーシップで、世界で初めてとなる小児失明との戦いに着手。30の小児眼科センターが設立される予定

86ヶ国における724事業に対し、17,500万ドルを交付

 

CSFUで知っておくべき10項目

@ライオンズは視力ファースト・プログラムを通して、世界中の2,400万人の視力を保護してきた。

A世界は、ライオンズを予防可能な失明を撲滅する国際的尽力におけるリーダーと見なしている。

BLCIF は1億7,500万ドル以上の視力ファースト交付金を提供。

Cライオンズは、1991 年〜1994 年の視力ファースト・キャンペーンで14,300万ドルの資金を調達する事で視力ファーストを実現可能にし、この金額は投資やその他の寄付によって2億ドルまで増額した。

D視力ファースト資金の残金は4年間以内で使い果たされてしまうが、まだやるべき事が多く残っている。

E視力に対する新しい難題によって、2020年までに世界の失明人口が3,700万人から7,400万人までに引き上がる可能性がある。何百人もの子供達が失明しており、1分間に1人の割合で子供が失明している。

F綿密な研究の後、ライオンズ国際理事会は、視力ファーストの成功を継続し、出現する視力への脅威と戦うために、少なくとも15,000万ドルを調達する世界キャンペーン即ちCSFUの決議を承認した。

Gさらに5,000万ドルが加算され、リハビリテーション、研究、および発展途上国の脆弱な人々へ手を差し伸べることにより、ライオンズの「全ての人へ視力を(vision for all)」という事業が拡大される予定である。

H視力ファーストは並々ならぬ世界的な尽力であるため、CSFUは他の重要なライオンズの活動に提供される資金に加えて、さらに資金を求めている。

ICSFUは2005年の香港国際大会で開始し、2008 年の国際大会でその成功を祝う予定である。

CSFU、OSEAL目標
努力目標 国際役員目標
1.日本 510千万円 453千万円
2.台湾 100千万円 111千万円
3.タイ 30千万円 33千万円
4.シンガポール 20千万円 12千万円
5.韓国 200千万円 278千万円
6.フィリピン 10千万円 48千万円
7.マレーシア 20千万円 15千万円
8.香港 30千万円 10千万円
合   計 920千万円 960千万円